「パソコンで約6万字の漢字が使用できる様になりました」

発表者 森田 矩夫さん

 コンピュータでは、英文字、かな、漢字等の文字に「文字コード」という番号をつけ、その番号を使って文書の作成や転送を行っています。 この文字コードは国際的に統一されている必要があり、現在、 国際符号化文字集合(Universal Coded Character Set)という国際規格で 世界中の言語の統一規格化が進められています。
 日本語に関わるものとしては、これまで、日本工業規格(JIS)で定められた、JIS第1〜第4水準(JIS X 0213)の漢字約 1万文字が 収録されていました。我々が、現在、パソコンで使用しているのは、このJIS X 0213の文字です。
 これまで、法務省の戸籍統一文字番号や登記統一文字番号、外務省の入管正字コード、総務省の住基ネット統一文字等、省庁内で漢字の 選定やコード化がバラバラに行われてきました。そのため、折角つくられても省庁間をまたいでの使用は困難でした。
 経済産業省の文字情報基盤関連事業一つであるIPA(情報処理推進機構)は、このたび、JIS第1水準〜第4水準、戸籍統一文字、 住民基本台帳ネットワーク統一文字を包含した約6万文字について、コンピュータで使用する際必要な統一的な文字コード (文字フォント:IPAmj 明朝フォント)を完成し、ISO/IEC 10646 第5版として2017年12月に登録しました。 これにより、約6万文字をコンピュータで使用する際、統一的な文字コードで扱うことが可能になり、我々のパソコンで使用できる文字が、 一挙に1万文字から6万文字(但し明朝体のみ)に拡大されることとなりました。


       [引用]   https://www.ipa.go.jp/about/press/20171225.html

 パソコンの中に IPAmj 明朝フォントが入っていると、例えば、今まで表示できなかった次の赤字で示した漢字 が表示出来る様になります。

使用法
【準備】

IPAmj明朝フォントの使用にあたり、
  @ パソコンの中にIVSに対応したソフトウェアがある事
  A IPAmj明朝フォントが入っている事
が必要です。
  (参考) IVS(Ideographic Variation Sequence/Selector)は、文字符号としては同一視される漢字の細かな
        字形の差異を特別に使い分けるための仕組みで 2008年以降のパソコンに導入されています。
       [引用]  https://mojikiban.ipa.go.jp/1292.html

 最近のパソコンは、IVSに対応していますがIPAmj明朝フォントは入っていないので、IPAからダウンロードします。そのほか、窓の杜からも入手 出来ます。いづれも無料で最新バージョンはVer.005.01です。フォントの導入は以下のように行います。

  1. IPAの次のサイトを開きます。
             https://mojikiban.ipa.go.jp/1300.html
  2. 画面最下部にある「IPAmj 明朝(Ver.005.01)をIPAサイトからダウンロードする」をクリックします。
  3. 「保存」を選択します。
  4. 「エクスプローラ」(Windows7の場合はコンピュータ)の「ダウンロード」をクリックします。
  5. 開いた画面の「名前」の欄 type="1のipamjm00501.zipをクリックします。
  6. 自己解凍して3個のファイルが表示されますので、その中の「ipamjm.ttf」をダブルクリックして開きます。
  7. 開いた画面の「インストール」をクリックします。
  8. Wordを開いて、リボンにあるフォント欄右端の▼をクリックしてフォントウインドウを開きます。
  9. その中に「IPAmj 明朝」が入っていることを確認します。

【操作】
 標準方法

  1. 文書作成中、目的の文字の場所で「IPA MJ文字情報検索システム(簡易版)」を開きます。
              http://mojikiban.ipa.go.jp/search/#
  2. 「文字情報基盤データベース」画面が開くので、「基本検索」タブをクリックします。
  3. 開いた画面の「画数」と「読み」(音は片仮名、訓は平仮名で)を入力します。
  4. 「検索」をクリックすると「検索結果一覧」が表示されるので、目的の文字を探し、その文字をクリックします。
  5. 目的の文字の細かい情報が表示されます。大きく表示された目的の文字の下にある「コピーフィールド」欄の目的文字を選択してコピー(Ctrl+c) します。
  6. この画面を閉じます。
  7. 作成中の文書に戻るので、カーソル位置にペースト(Ctrl+v)すると、そこに目的の文字が表示されます。
         (参考) 詳細は「IPAのよくある質問」を参考にして下さい。
        [引用]  https://mojikiban.ipa.go.jp/1287.html

 簡単方法

  1. 上記方法で読み出した IPA MJ 漢字は単語登録しておきます。単語登録しておくと、以後、MSP明朝等で文書を作成してる場合でも、 通常の漢字変換操作でIPAmj 明朝の漢字が組み込まれた文書を作成できます。明朝書体間で形状の差は殆どありませんので違和感は 感じられません。
                                                以上

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