フラットベッドスキャナーによる本の自炊(デジタル化)技法

講師 森田矩夫 さん

どのページをデジタル化するか

本の構成
 表紙(表1)→ 見返し→ 本扉→ 目次(前書き)→ 前書き(目次)→ 本文→中扉→ 本文→ 後書き→
 参考文献→ 著者略歴→ 奥付→ 見返し→ 表紙(表4)→帯
最低限、本扉・前書き・目次・本文・中扉・後書きを、その他は必要に応じてPDF化する。

コピー操作の種類

ここでは、本を解体することなく、フラットベッドスキャナーを用いてデジタル化する方法について説明する。 このほか本を裁断器でバラバラにしてシートフィードスキャナーでデジタル化する方法や複写台を用いデジタ ルカメラで撮影する方法等が行われている。

自炊に適したフラットベッドスキャナー

フラットベッドスキャナーは光学系により、CCD方式とCIS方式があるが、製本状態でデジタル化するには焦点 深度が深いCCD方式が適している。しかし、薄い本ならCIS方式でも、また、プリンター複合機でも十分使用で きる。

作業の手順

1.スキャナーの条件設定をする。
イメージタイプ:モノクロ2値。写真入りのページはグレーまたはカラーにする
解像度:300dpi。小さい活字本は400dpiにする
スキャンサイズ:版面(活字部分)の上下左右約10mmをカバーする領域
ファイル形式:透明テキスト付 きPDF
原稿回転機能:あれば ON
ファイル番号:本文のページ数と一致させる
2.スキャン操作
○見開き左ページは原稿台の指定角(通常右上角)の上面・側面に本を密着してスキャンする。
○見開き右ページは本を180度回転させ、本の右下端を原稿台の指定角(通常右上角)の 上面・側面に本を密着してスキャンする。
○本の回転・ページ捲りを繰り返しながらスキャンして、ページ毎にPDFファイルを作成する。
○スキャナーソフトに原稿回転機能が無ければ、見開き右ページは本を原稿台で横にスライドして、一旦、テスト スキャンしてスキャン領域を補正してから本スキャンする。あるいは左ページだけ連続スキャンし、次いで、右 ページを連続スキャンして、後で正しいページ順に並び替えても良い。
○1ページ1ファイルづつに出来たPDFファイルを、ファイル結合ソフトを用いてページ順に並べて、一つのPDFファ イルにする。
○出来たファイルはCDに焼いてPDF本として完成する。

    【参考資料】 自炊技術http://wikiwiki.jp/bookjisui/