パソコンを軽くしよう
講師 中西成美 さん
起動に時間がかかる
動作に時間がかかる
反応がにぶい
パソコンは初めは快適に動作するが、使っている間に段々動作がにぶくなってくることが多い。
作成した資料や写真が溜まってきたり、新しいプログラムをインストールしたりして内容が増えてくる。
ごみが溜まると言うが、断片化されたプログラムなどが散在して動作をにぶくさせる。
ウイールスやスパイに知らない間に汚染されて、動作を妨害されている。
大体4年くらい経つとこういった問題が出てくるケースが多い。
ここでは、遅いパソコンを軽快に動かす方法を検討してみる。
メモリの容量
プログラム、データなどはHDに収納されているが、使用するときは動作の速いメインメモリにその部分を移動させて、
そこで動作させる。メインメモリの容量が小さくて不足するときは、HD上に場所を借りて、そこもメモリと同じよう
に使用する。この部分を仮想メモリという。HD上では動作速度が遅いので、またやり取りの時間もかかるし、全体の
動作速度が遅くなる。
一般的に必要なメインメモリの大きさは
WindowsXPで512MB〜1GBくらい必要
WindowsVISTAで2GBくらい必要
不足の場合増設することが出来るが、パソコンによって増設単位の容量、増設容量の上限が異なり、また増設
メモリの仕様も異なるので、調べておく。
今日は実演してみる。
販売店などでもやってくれる。
メーカーもHD増設なども含めて能力アップサービスを提供している。
ハードディスクの容量
HDには、OS・APなどのプログラム、作成したドキュメント、などが収納されている。
普段目に付かないが、仮想メモリの領域、復元ポイントの領域、ゴミ箱の領域、メールのdbxファイル、パソコン
のリカバリプログラムの領域、分割したDドライブの領域、などもある。
一つの例
WindowsXPの場合OS関連で7〜10GBくらい使う。
AP関連で例えば8GBくらい。
作成したDocument類で5〜10GBとすると
計20〜25GB使用
VISTAの場合計35〜40GBのオーダー
標準的なパソコンでHDの容量は
40GB、80GB、120GB or more などある
不足の場合は内臓型或いは外付けのHDを増設する。外付けの増設は簡単。
外付けHD
メーカー:バッファロー、アイオーデータ、など
容量:250GB〜1TBくらい
メモリやHDの空き容量を増やしたり、内容を整理整頓したりするための、色々なツールが下記のように提供されて
いるので、利用するとよい。しかし、メモリやHDの大きさが十分あるのであれば、それほど気にする必要はない。
ディスククリーンアップ
- HD上の不用なファイルを削除する
- マイコンピュータ/ローカルディスク(c)/右クリック・プロパティ/全般タブ/ディスククリーンアップボ
タン/対象ファイルの検索が始まり削除量を計算表示・対象ファイルを表示/選択してOKで削除される。
- 対象ファイルは
- InternetExplorerの一時ファイル、システムの一時ファイル、ゴミ箱、などの不用ファイルを削除。
ある一定期間使わなかった「古いファイルを圧縮する」→圧縮するとファイル名が青色になるが、ファイルのプロパ
ティの全般タブの詳細設定で復元できる。
ディスククリーンアップは、アクセサリ/システムツール/ディスククリーンアップ/からも起動できる。
しかし、それほど劇的に空きが増えるわけではない。
ディスクデフラグ
HD上で断片化したファイルを整理し連続した領域に配置しなおす。少し時間がかかる。
ローカルディスクのプロパティ/「ツール」タブ/「最適化」の欄で「最適化する」ボタン
終わると、空き領域も増え、ファイルハンドリングの時間も短くなる。
しかし、これも劇的に動作が速くなるというわけではない。
チェックディスク(以前はスキャンディスクと言っていた)
- HDの不都合点をチェック修復する。
- ローカルディスクのプロパティ/「ツール」タブ/「エラーチェック」欄で、「チェックする」ボタン/「不良セク
タをスキャンし回復する」をチェックして「「開始」ボタン
- この操作はHDの空き容量をふやす目的ではなく、ファイル情報のエラーやHDのエラーを調べて修復するという機能
です。
不要のファイルやプログラムを削除する
- 使わないデータを削除する。
- 写真ファイルなど、とっておきたいが、容量をくうものはCD、HDなど別のメディアに移してとっておく。
- 使わないプログラムを削除する。
プログラムの削除はコントロールパネルのプログラムの追加と削除から行う
(パソコン内に配置されたすべての関連ファイルを一度に削除する必要があるため)
常駐プログラムをへらす
常駐プログラムというのは、常に起動しているプログラムで、通知領域のインジケーターに示されているようなプロ
グラム。使わないものも多い。
インジケータのところで常駐を止めることができるものもあるが、多くは「システム構成ユーティリティ」から行う。
スタート/「ファイル名を指定して実行」の名前欄に「msconfig」と入力してOK/
「システム構成ユーティリティ」の「スタートアップ」タブや「サービス」で不要のもののチェックをはずせばよいが、
判定がむずかしい。人に聞くか、参考図書をたよりに行う。慎重に行う必要がある。
レジストリーを整理する
レジストリーはパソコン内の各種設定や情報を記述してあるところだが、段々肥大化して、パソコンの動作を遅くする。
スタート/「ファイル名を指定して実行」の名前欄に「regedit」と入力してOK/
「レジストリエディタ」が起動するので、ここで整理するのだが、中々理解が困難で実行が難しい。
パソコンの機能状態を調べて、改善するソフト
常駐プログラムやレジストリは内容が専門的なので、一般ユーザーには扱うのが難しい。自動的に整理をするツール
が各種提供されているので、こういったものを使用するとよい。
これらのソフトはパソコン内を調べて、不用なソフトやデータ、機能などを整理削除してくれる。
別途説明します。
名 称 | 種 類 | 対 象 |
スタートアップチェッカー | フリーソフト | 常駐プログラム、サービス |
CCleaner | フリーソフト | レジストリー、不用ファイル |
Disk X Tools | 5500円くらい | レジストリー、不用ファイル他 |
その他多くのソフトが発売されている | . | . |
ウイールスソフト
ウイールスソフトはその性質上常駐プログラムとして動作します。段々機能が高度化してくるに従って、パソコン動作
を重くする原因の一つになっています。メモリーの大きさや、ソフトの選択により、パソコンの動作にかなり影響が出
てきます。最近はソフトメーカーも、この点を改善するようになり、軽く動くソフトも多くなってきました。
ウイールスやスパイウエアに汚染されていて、動作がおかしくなる場合もあるので、ウイールスソフトは省略しないほ
うがよい。
システムの復原
システムの復元機能を使うとある時点の復元ポイントの状態にパソコンを戻してくれる。
例えばドライバの更新、APのインストール、などのあと、調子が悪くなった、という時に、それ以前の状態に復元する
ことが出来る。
復元ポイントは自動的に(電源ONの状態で24時間ごと)、或いは手動で、作成できる。
但し3ヶ月前まで。
復元しても、復元ポイントから現在までの間に作成された文書類は削除されない。その間にインストールされたプログ
ラム・ドライバなどは機能しなくなる。(インストールしなおしが必要)
システムのリカバリー
システムのリカバリー(再セットアップ)を行えば、パソコンは初期状態に戻るので、いよいよ動作がおかしくなった
時はリカバリーを行う。
詳しくは「パソコンのバックアップ」の資料参照してください。
参考書籍
パソコンの動作を軽くするための方法について、主なものを上記しましたが、このほか様々な方法が提案されています。
これらのHow toを記載した書籍も多数販売されています。興味ある方は一読してみてください。
すぐにできる ウインドウズ 快速&快適技 学習研究社
日経PC21編 パソコン高速化万能バイブル 日経BPパソコンベストムック 日経BP出版センター
日経PC21編 ハードディスク活用バイブル 日経BPパソコンベストムック 日経BP出版センター
WindowsXPの解説本詳細編 各種
ー終ー
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